相模原市には水に関する場所が多くがあります。
相模川や境川が市の縁部に流れ、津久井湖や相模湖などの湖がいくつもあます。ですが、三段地形で構成された相模原台地のエリアなので、昔は、水の確保となると下段の川筋の方が容易なため、相模川流域近辺に集落が広がり、なかには用水路をつくって作物を育てたりしていました。
現在でも残っていて整備されている用水路の一つが烏山用水になります。
烏山用水は新堀用水路とも呼ばれているので、Google マップでは併記されています。
このエリアは昔は田名村という集落で、水田が盛んに行われていたエリアになります。17〜18世紀における相模原の村(17カ村)のなかでもずばぬけて収穫高の多いエリアでした。この用水路による水の確保もかなり効いているのかと思います。
生活と密着した用水路は、日常の景色に馴染んだ親水空間を生み出していました。家の庭の横に用水路があり、水田だけでなく生活でも使っていたため、大切にみんなで管理してきていたのがうかがえます。
写真は散策路を整備しているのがわかるかと思いますが、そこそこの長さがあり散歩を楽しむことができるようになっています。
用水路と共に付近にある石積みもその当時の様子を残す貴重な史跡となっています。現在のようにコンクリートによる施工はありませんので、当時としては石積みの技術が各地でいろいろな方法が開発されていましたので、それらを知る上でも大切な資料と言えます。