「設計事務所にも関係する!住宅の瑕疵担保履行法」研修会 (2008.7.10開催)

「設計事務所にも関係する!住宅の瑕疵担保履行法」研修会 (2008.7.10開催)

開催日:平成20年7月10日
注:質問の意に満たないところ等もございますが、お許しください。

Q1 資料-1(p.42)※分譲マンション等・・・定期的に報告となっているが、誰がどこに報告をするのですか? また、個人的な報告の場合、報告することが継承される法方とは?
A1 分譲マンションの場合、1住棟単位で保険の申込をしていただき、当該住棟の工事が完了して最初の住戸の引渡し日が決定したら、保険契約者から保険証券の発行申請をしていただきますと、当該住棟につき1枚の保険証券を発行するとともに、引渡しが決まった住戸の購入者には、保険契約者を通じて保険付保証明書と重要事項説明書をお渡し致します。  この保険証券の発行時に未入居住戸があった場合には、その後、順次売買契約が成立し引渡しがされていきますが、この引渡し状況について毎月ご報告をいただき、住戸の引渡しが決まった翌月末までに、保険契約者から機構(具体的には保険証券を発行した事務機関)へ報告をしていただくと当該引渡しが決まった住戸の購入者にも保険契約者を通じて保険付保証明書と重要事項説明書をお渡しするというシステムです。
Q2
 (1)第4条で地質調査を4ヶ所行っていない場合、敷地で4箇所を必ず調査しなくてはならないのか?
 (2)ボーリング調査の場合も4ヶ所なのか?
 (3)ボーリング2ヶ所、平板載荷2ケ所と異なる調査でも良いのか?
A2
 (1)機構の設計施工基準では、一戸建て住宅の場合、原則として4点以上計測することになっています。ただし、小規模宅地分譲などの場合で、均質な地盤であることが想定されれば、隣接する敷地の測定点と合わせて3箇所とすることは可能です。また、かなり大規模な分譲地で、事前に申請すれば各敷地で4点以上計測しなくてもよい場合もありますが、結果にバラツキがあれば、やはり敷地ごとに4点以上計測していただきます。
 (2)①基礎(基礎杭を含む)又は地盤補強体が支持層まで達する設計であり、施工時に支持層確認を行なう場合、②基礎杭ごとに許容支持力を測定する場合については、ボーリング調査による測定箇所をを1箇所以上とすることができる。
 (3)異なる調査方法を採用されても支障ありません。ただし、平板載荷試験については、軟弱層の有無、厚みの判断が難しいため、軟弱地盤等の場合は、SWS等軟弱層の有無等が確認できる調査方法を併用する必要があります。
Q3
  (1)保険添付図についての詳細内容が知りたい。
  (2)基礎伏図、梁伏図 表現の参考図が欲しい。
  (3)設計事務所として作図すべき図面を詳しく知りたい。
A3
  (1)戸建住宅の場合には、次の設計図書等を添付していただきます。付近見取図、配置図、平面図、立面図(4面)、矩計図(防水仕様を明記)、基礎伏図、2階床伏図(3階建ての場合は、3階床伏図を含む)、N値計算書(N値計算をしている場合)、地盤調査に関する資料(地盤調査報告書又は現地調査チェックシート)共同住宅の場合には、次の設計図書等を添付していただきます。付近見取図、配置図、平面図、立面図(4面)、断面図、面積表、構造図、地盤調査(ボーリング調査)に関する資料、防水の仕様に関する資料、その他機構が必要とした書類
 (2)特に参考図はございませんが、軸組、床組等構造耐力上重要な部分に関する検査をより効率的かつ的確に実施するため、基礎伏図、2階床伏図、N値計算書には次のような事項を明示していただきます。
基礎伏図:基礎配筋、アンカーボルト等位置、床下換気口位置などを確認します。
2階床伏図:梁、桁、火打ち材等の位置、サイズ、間隔、材料などを確認します。プレカット図により確認できる場合は、2階床伏図に代えてプレカット図を提出しても可。
N値計算書:建設省告示1460号の原則によらず、N値計算書により決定した場合は、N値計算書により、柱の柱頭・柱脚の仕口の接合方法を確認します。
  (3)上記設計図書等は、保険の申込時に、住宅事業者(建設業者又は宅建業者)が、添付図書として提出するものですが、プレカット図を提出する場合を除き、これらの設計図書等は、本来、設計者が設計をする時に一緒に作成すべき図書等であると考えられます。
Q4 地盤情報サービスを受けるには(ID、パスワード取得)、設計事務所でも可能ですか? また、取得方法を教えてください。 また、誰でも利用できるのですか?
A4 地盤情報サービスを受けるには、事務機関や届出事業者に配布しているIDとパスワードが必要ですので、現状では、一般の方は利用できません。
Q5 保険期間内に瑕疵を発見し、保険金の請求を行う。(1回目)それでも残瑕疵的な部分があった場合、2回目、3回目も重なった場合は、期間(10年)は延びますか?
A5 保険期間内に瑕疵が発見され、機構の保険金請求手続きに基づき修補工事が完了した後に、当該修補工事の対象となった同じ瑕疵に起因する損害については、再度保険を適用することはできません。例えば、ある箇所から雨漏れが発見され、雨漏れの原因となった箇所を修補したが、同じ箇所からまた雨漏れが生じてしまったような場合には、再度保険は使えませんが、全く別の箇所から雨漏れが発見されたような場合は、保険の対象となる場合があります。ただし、このような場合でも、保険金の累積額が当初の契約額を超えることはできませんし、当初の保険期間(10年間)を超えることはできません。
Q6 建築家賠償責任保険(設計者側の問題ですが)との併用はできますか?
A6 住宅瑕疵担保責任保険と建築家賠償責任保険とでは、保険契約者や対象となる契約形態が異なりますので、同じ住宅建設に併用することは可能です。
Q7 瑕疵原因で裁判になった場合は、どうなりますか?
A7 当該瑕疵について係争中であるということは、当該瑕疵自体について住宅業者が認めていないものと考えられますが、裁判等で瑕疵があるとの判断がされれば、保険契約者からの請求に基づき、機構の事故調査員が現地調査を行い瑕疵の確認、修補方法、修補に要する費用の見積もりなどを行なったうえで、保険契約に基づき保険契約者に保険金をお支払いいたします。
Q8
 (1)4号物件も特例がなくなるということで、図面の種類も多くなると思われますが、RC造等では矩計図は不要になっていますが、保険制度が導入されると木造住宅の確認資料に矩計図とあるが、設計図書をつける必要となるのか?それとも部分的詳細図で対応できるのか?
 (2)梁のかけ方が設計図と少し変更しても駄目なのか?
A8
 (1)必要な設計図書等は、設計施工基準との整合性を確認させていただくための資料として添付をお願いしています。特に、矩計図については、断面の位置等の指定箇所等はございませんが、屋根、外壁の防水の仕上げ、ルーフバルコニーがあれば防水層の状況や掃き出し窓下の立上り寸法、柱や梁の断面寸法、基礎の種類、形状寸法等については、最低限明示されていることが必要と考えられます。 なお、屋根、外壁、バルコニーに係る防水仕様、基礎形状等の設計施工基準に関する内容が明示されていれば、矩計図以外の図書を提出いただいても支障ありません。(検討中)
 (2)梁のかけ方が設計図と変更された場合は、変更内容を表した床伏図を提出いただくことになります。
Q9 検査員の共通性と対応の仕方は、統一して欲しい。現場でも対応としては、ある程度はその場での連絡、または、指示が欲しい。今後、検査員の講習会もあるのでしょうか?
A9 現場検査員につきましては、新規に機構の検査員に登録されるためには、先ず機構の新規検査員研修を受講する必要があります。また、併せて建築安全協会の内部研修において、先輩検査員や総括検査員による現場研修等を実施しております。機関検査員については、月2回以上ミーティングを実施しており、建築安全協会からの伝達事項や検査員同士による意見交換等を通じて、検査の統一性や技術力の向上を図っております。
Q10 建築確認申請を行政に提出する場合、この保険の申請提出先は、どこでも可能なのでしょうか?
KBIなどの民間審査機関で確認を取得した場合でもこの保険の申請先は、どこでも可能でしょうか?
A10 貴意見のとおりです。
建築確認申請を提出する機関と、この保険の申込をする機構の事務機関とが同一であれば、現場検査等において、ワンストップサービスを受けることができて、申込者にとって利便性が高まるとの説明をしていますが、どの事務機関に保険の申込をするかは、当該申請地を業務地域とする機構の事務機関(総括事務機関、一般事務機関、特定広域機関の3種類があります)であれば、建築確認を取得した機関であるなしに関わらずどこでも可能です。
Q11
商品の名称と区分について
・住宅瑕疵担保責任保険
・住宅瑕疵担保責任任意保険
任意保険は、別料金なのか?それとも、住宅保証機構の特典なのでしょうか?
各々の保険法人により料金や特典の有無などが違うのでしょうか?
A11 任意保険の場合の料金は、住宅瑕疵担保責任保険とは別の料金となります。また、任意保険については、住宅瑕疵担保履行法第19条第2号に基づく保険制度でああり、住宅保証機構だけに認められたものではございません。 また、各々の保険法人によって、料金や任意保険については、国土交通大臣から認可を受けた業務規程により異なってくると思われます。
Q12 引渡し後の検査はないのか?
これまでの住宅性能保証では、2年後の自主点検し報告がありましたが・・・
A12 従来の住宅性能保証制度においては、引渡日が平成18年4月1日以降の保証住宅については、「点検チェックシート」による2年目の点検結果の報告が不要となっています。
また、新たな保険制度においては、引渡し後の検査、自主点検等はありません。
Q13 設計・施工基準20年度版 解説付は、どのようにしたら入手できますか?
(現場調査チェックシートを含む)平成20年度版設計マニュアルは、どのようにしたら入手できますか?
A13 平成20年版設計施工基準(現地調査チェックシートを含む)につきましては、最寄の事務機関で入手できますし、住宅保証機構のホームページからダウンロードできます。
なお、平成20年6月追補版の現場検査マニュアルは、機構の現場検査員用のものですので、一般の方には配布しておりません。
Q14 保険は施工業者、売主が申し込むが、設計に関わる書類が請求されている設計者に対する対価は?
A14 保険を申し込む場合には、設計施工基準への適合性チェックや現場検査での照合等のため、一定の設計図面の提出を保険申込者(建設業者又は宅建業者)にお願いしておりますが、この結果、設計者が当初予定していた以上の図面を作成することになった場合の対価については、依頼者である保険申込者とよく話し合って頂きたいと考えます。
Q15 p.18のフローチャートを見ると、現場検査は基礎配筋工事完了時と屋根工事完了時となっているが、軸組の検査は、屋根工事完了時の検査と並行して実施するのか? また、県下特定行政庁によっては、現在中間検査の義務化が行われているが(例、小田原市、平塚市など)これは免除になるのでしょうか?
A15 前段部分については、貴意見のとおりです。
保険の2回目の現場検査の時期は、屋根工事完了時から外壁の断熱工事完了に至る内装下地張りが行なわれる前の段階で、主に上部躯体の構成、構造部材の規格、部材の接合部等を対象とし、可能な範囲で屋根、外壁、バルコニー防水工事について検査を行なうものですので、軸組の検査も含まれます。
また、後段部分については、保険の2回目の現場検査の時期が、特定工程の検査とダブったとしても、保険のほうの検査は免除になることはありません。