一般社団法人 神奈川県建築士事務所協会

管理規約

敷地、建物、付属施設及び共用部分の範囲が定められていますか？

マンションには、区分所有者が自ら管理することとなる専有部分と、専有部分以外の建物の部分（廊下、階段、住戸間の壁、床スラブなど）、専有部分に属さない建物の付属物（アンテナ、エレベーターなど）、管理規約で共用とすることができる付属の施設（管理事務所棟、集会室など）の共用部分とがあります。 共用部分には、明確に共用部分と判別できる部分（玄関ホール、ロビーなど）と専有部分と誤解されやすい共用部分（バルコニー、玄関ドアなど）、管理規約により共用部分とできる部分（管理人室など）とがあるため、あらかじめ範囲を管理規約に詳しく定めておくことが望まれます。

（中高層共同住宅標準管理規約（単棟型）第４条【別表第１】、第８条【別表第２】（Ｐ６）を参考にしてください。）

■専有部分・共用部分の別を明確に定めておかないと・・・

● 本来、共用部分とすべき集会室兼管理室を分譲会社の専有部分として登記しており、管理組合が使用料を支払っていた事例があります。しかも管理費などは分譲会社から徴収していませんでした。

● １階のピロティ部分の駐車場について、共用部分にあたるか、専有部分にあたるかで、トラブルとなったケースがいくつかあります。

団地型マンション・複合用途型マンションの場合

■団地型マンションの場合

（中高層共同住宅標準管理規約（単棟型）第４条【別表第１】、第８条【別表第２】を参考にしてください。）

各棟の管理の範囲や内容、方法などを考慮しておかないと、大災害で一部の棟が損傷した場合などにトラブルの原因となりますので、各棟の事情が公平に反映されるように配慮が必要です。 団地型マンションの場合は、棟共用部分と団地共用部分を設定し、その境界及びそれぞれの共用部分持分割合や管理方法、管理費や修繕積立金などの費用負担について管理規約に定めることが必要です。

■複合用途型マンションの場合

（中高層共同住宅標準管理規約（複合用途型）第４条【別表第１】、第８条【別表第２】を参考にしてください。）

マンションが住宅部分と住宅以外の部分（店舗・事務所）からなる場合で、店舗の所有者と住戸の所有者とでは、建物や施設の利用状況が異なるような場合には、管理の主体と範囲で、管理費や修繕積立金などの費用負担を管理規約で明確に定めることが必要です。 また、店舗の用途を限定する場合は、合意形成を行った上で、管理規約に明記する必要があります。

■このような場合には・・・

■等価交換マンションの場合

等価交換方式とは、土地所有者が土地を提供し、デベロッパーが建物を建てて、各々の相手方に対して土地・建物を譲渡し合う開発手法です。このようなマンションでは、元の地主に有利な条項が管理規約に定められている場合があるため、入居時に分譲会社などから提示された管理規約を十分確認しましょう。

■借地権付き分譲マンションの場合

借地権付き分譲マンションの管理規約は、所有権分譲マンションの場合と異なり、借地契約の内容を踏まえながら、借地権者である区分所有者の合意によって、管理組合が管理する管理対象物の範囲に借地権を含めるかを慎重に定めることが必要です。

第４条

＜対象物件＞

第４条

この規約の対象となる物件の範囲は、別表第１に記載された敷地、建物及び付属施設（以下「対象物件」という。）とする。

第８条

＜共用部分の範囲＞

第８条

対象物件のうち共用部分の範囲は、別表第２に掲げるとおりとする。