一般社団法人 神奈川県建築士事務所協会

管理規約３

修繕積立金と管理費を区分経理することが定められていますか？

修繕積立金は、一定年数の経過とともに計画的に実施される大規模修繕など、あくまでも日常の小修理の範囲を超えた修繕のための費用に充当されるものです。外壁の塗り替えなど大がかりな修繕は、かなりまとまった費用が必要になりますから、一時に多額の出費をしなくてすむように、長期修繕計画に基づき算出された適切な金額を毎月積み立てておくことが必要です。したがって、その積立金を簡単に取り崩すことのないよう、管理規約に定めておくことが重要です。　 一方、管理費とは、共用部分の水道・光熱費、エレベーターなどの諸施設の保守・点検費用、程度の軽い損傷箇所の修繕費、管理会社に支払う委託費等、共用部分の日常的な管理のために充当される費用です。　 管理費と修繕積立金は、その合計額を月々支払う方法をとっている場合が多いですが、両者はまったく性格の異なる費用であり、区分して経理すべきものです。
（中高層共同住宅標準管理規約（単棟型）第２７条第２項及び第４項を参考にしてください。）

■修繕積立金の使途用途が限定されていないとき・・・

●管理費が不足した際に、修繕積立金を流用しているケースが多々見受けられます。 本来、管理費で充当すべき項目に修繕積立金を充当してしまうと、長期修繕計画に基づいた適正な修繕積立金の積立が行えなくなります。

■このような場合には・・・

■管理委託費の増額を求められた場合は?　

管理委託費は、マンションの付帯設備や管理業務の仕様、委託先の管理業者によって、異なります。管理業者から管理委託費の増額を求められ、管理費の値上げが必要になった場合は、計画的な修繕の実施に必要となる修繕積立金を確保した上で、負担可能な金額を考慮して、管理の委託内容、範囲、金額の妥当性を再度検討しましょう。

■駐車場使用料などを管理費に充当している場合

駐車場使用料を管理費会計に充当していたところ、駐車場利用率が低くなり、管理費に赤字が発生し、修繕積立金を取り崩した例があります。　駐車場利用料等は、それらの管理に費用を支出した後に生じる余剰金については、一般的に修繕積立金が不足しがちであるため、修繕積立金会計に組み入れることをおすすめします。　また、機械式駐車場については、管理に多額の費用を要しますので、十分に検討しましょう。

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