
HOME > 一般の皆様へ > マンションの修繕体験記録を見てみよう! > 修繕以外の計画修繕工事
平成13年度までに使用した修繕積立金の累積は30年間で1戸当たり376.1万円、そのうち大規模修繕以外の計画修繕に費消したのは1戸当たり164.2万円、修繕のピークが第3回目にあることが明かである。2回~3回の時期には改善工事も多く含まれています。
第1回目大規模修繕まで | 13.6万円/戸 |
第2回目大規模修繕まで | 52,6万円/戸 |
第3回目までと同年には | 98.0万円/戸 |
合 計 | 164.2万円/戸 |
棟によって床面の結露が長い間の懸案事項であった。 1階床面まで約1mあり、床下に入り、天井面に発泡ウレタン吹付け工事を行い、床スラブの結露防止を図った。厚み30㎜。
第1回大規模修繕でPC版目地の線防水から断熱材で躯体を保護したシート防水工法を採用した。4年周期のトップコート塗装(熱反射が大きいシルバーペイントト塗装)工事を、以来、5回行っており、20年経過している。屋根上の工事は足場がいらないので大規模修繕時期外に実施できる。
大規模修繕時に軒先のアルミ水切り周辺のシーリングなど部分的な補修をしている。
管理事務所に書式「共用部分の修繕に関する報告書」があり、雨漏りなどは居住者から報告されると緊急を要するものは修理し、また、経過をみて判断し修繕時期を延ばす場合もある。
このような日常点検書類の蓄積が大規模修繕の情報として役立ちます。
日常修繕のマニュアルとして組合独自の調査票を使って大規模修繕年を除き毎年建物点検調査を行っている。この時、大規模修繕工事業者の立会を依頼し、管理委員会、役員とともに居住者が提出した点検表を実地検分し問題点の確認に努めている。計画修繕と調整が必要な問題も上がってきます。
総会で事業決定後管理委員会の中にワーキンググループが設けられた。
建築設計事務所もコーデネイターとして参画している。
新築時の扉は木目プリントの塩ビシート貼りであったが、シートが錆で膨らむのが多く見られるようになり、扉内部の鉄の腐食が表面に出てくる状態もあった。
まず、毎年10月に実施している建物調査の特別項目に扉の傷み具合を調べる項目が盛り込んだ。前項に記した毎年建物点検調査である。
扉枠はPC版打込みであり、状態が良いのでそのまま使用することになった。枠を使用できなければ、リフォーム工法として普及してきた枠カバー工法を採用せざるを得ないが、それには至らなっかった。枠内法寸法が小さくなることに難があった。居住者への2回のアンケート調査により仕様を決定した。3回の通常総会を経ている。事業スタート時には玄関扉のみ交換を目的としていたが、隣合うメーターボックスの扉も含めて交換することになり、さらに、古びた階段室灯も一新、撤去跡補修が必要だったので、塗装をして階段室全体のリニューアルへと発展していった。扉工事以外に塗装と階段照明器具取替に43千円/戸要した。
幅40㎜縦長のガラス明かり取り付扉で多くの賛意を得、デザイン、機能ともグレードアップした。扉は意匠が大事であり、見本扉2種(2色)を展示した。内側の色とガラス幅を2案提示し、両者とも選択できるようにした。
夜間、階段灯の明かりで玄関内がほんのり明るく省エネ効果もある。枠・扉にエアタイトゴムを付け4方気密化した。現在の分譲マンションでは標準仕様である。
この工事は玄関を1日中開けておかなければならないため、在宅日に工事するが、専有部分にも関係する共用部分の工事をスムーズに推進するには広報を繰り返すことが重要と思われる。この時、補助錠取付け工事を斡旋し、防犯に対応した。
規約で網戸は共用専用使用となっている。掃出し戸の網戸はアルミサッシュ枠にトメ金物を付け、スライドする方式であったこと、窓の網戸が固定で使い勝手が悪く改善を求める声があった。
住戸のすべての網戸に専用レールを設置し、窓アミ戸は可動に、出入口戸は動きやすくするのが工事目的であった。更に窓には水切りを付け、外壁の汚れを防止することも加えられた。
アミ色2種を見本展示し、視認度の高い黒色のグラスファイバー(不燃材料)に賛成が多かった。
このとき、共通工事以外の浴室窓(ジャロジー)の交換を斡旋工事とした。
フェンス張替えと枠塗装工事を築後26年に行った。それまでは部分的な補修に留まっていた。
1階専用庭には植栽があるので、居住者との調整に時間をかけた。
築後26年19.3千円/戸を含めて過去10年で23,9千円/戸である。
通常総会で集会所改修・作業員更衣室改修予算15,600千円が承認され、設計事務所へ委託した。
鎌倉市補助金 約11,500千円受け、増額して28、000千円で竣工。
集会所の増築、改装と併せて作業員室を改善、コピー・印刷室が独立した。
敷地周囲の生垣にも市の補助金を得、団地の中心部に緑が広がった。
23年前入居した頃、1階階段室は子供の自転車が溢れ、郵便受けに手が届かない状態もあった。
その2年後に竣工。1、870万円。現在は20年余り経過しているが部分補修や塗装しながら使っている。
子供の数は激減し、20ヶ所の駐輪場のうち部分使用も多い。バイク置場と併用している。
郊外型のマンションであるため当時下水設備はなく浄化槽の維持管理が管理費・修繕費の大部分を占めていた。汚水処理に問題あり、築後17年に1300人槽調整槽新設もあった。懸案だった下水道工事は昨年に引き続き平成14年末には汚水管・マンホール・公共下水桝工事も完了し公共下水管の接続を待つが管理組合負担の敷地内工事はこれからである。汚水処理場の建物と敷地の跡地利用が問題となる。
屋外給水管は当時としては良質の塩ビライニング鋼管を使用しているので鉄管腐食による赤水問題はないが、外部から腐食がすすみ、築後17~20年に一部取替えた。残る配管については2002年に調査を行い、次年度に交換を計画している。
排水管については築後26年にファイバースコープによる管内付着物調査を行った。
この調査結果に基づき、築後28年に横引き管の高圧洗浄を全棟で実施。その後、勾配不足のため堆積物がたまって起きた漏水事故があり、修理された。縦管の洗浄については縦配管の各戸便器との接続構造上工法の検討が必要であり、中断となっている。
ガス屋外配管更新として、築後20年目に始まり6年かけて、東京ガス道路埋設管から各住戸に配管されるガス縦管に入る地下埋設管取替工事が実施された。76.9千円/戸。
築後18年目に東京電力と契約し、各住戸が最大60アンペア(A)まで契約できるようにしている。工事費は19.9千円/戸。その後の調査(平成12年)では最も多いのが30Aで52%、40Aは20%、50~60Aが20%になっている。
テレビ共聴設備については建築当時としては、進んだ機器やケーブルを採用していたため、衛星放送が始ると同時に築後16年にはUHFを配信。その後配線劣化により配信電波減衰が顕著との調査報告があった(築後22~27年)ため、築後27年にはUHFの一部を残してVFHに切り替え配信している。過去20年間に要した費用は29.9千円/戸である。今後はデジタル化への切替えがある。
住戸内においても(専有部分)経年による設備や建物の劣化に対応し更新が必要である。専有部分は修繕費の適用外であるが、専有部分であっても全戸共通の問題であったり、上下階への影響が大きい場合として、総会決議を経て修繕の対象と見なした工事として、点検口設置工事、漏電遮断器付子フ゛レーカー交換工事があります。
築後20年ころから浴室の漏水事故が見られ、その原因究明と補修に管理委員会担当者、居住者、管理員ともに多くの時間を費やしていた。
現場施工浴室の防水層のみ規約上共用部分専用使用扱いであり、事故ヶ所発見のシステム化の一つとして点検口の設置が位置づけられた。
漏水が報告されると当該階の上階の床や壁を原因ヶ所が発見されるまで開口部を作る方法がとられていた。在宅の連絡、専有部分の一部を切り取ることにより修復の問題、などなど、マンション生活上憂鬱な問題ある。
そのため、水回り設備配管が集中している床に枠アルミ既製品300X300の点検口、汚水管、雑排水管の竪管のシャフトにそれぞれ1個150X200、点検口を新設した。壁を切り取り、切り取った壁材に枠を付けて蓋に再使用する。既にリフォーム工事などで設置済みの場合は会の工事金額相当分を返金し、工事住戸との公平を保った。
事故ヶ所が分かると会の修繕のマニュアル(浴室漏水が始まった頃、管理委員会では問題の重大性から、漏水報告から修繕に至るマニュアルを作成した。)に従って段階的修繕が進められるが、防水層の修復に至ることもある。
一方ではリフォーム時に防水層工事を行う場合に限り、補助金を出している。その後予想したような数の漏水はないが浴室のメンテナンスは今後の大きな課題である。
電気配線がコンクリート壁(構造体は共用)の中にあり、全戸一斉の修繕は困難であり、次善の方法として各戸で漏電遮断機を設置することにより、電気配線の劣化による事故を未然に防ぐための工事である。
漏電遮断機付電力計へ交換するより、子フ゛レーカー全てを漏電遮断機付に取替える方が予算的には若干高くなったが、漏電ヶ所がきめ細かく発見できる。工事中に数カ所の漏電が発見された。漏電ヶ所発見後は各戸が修理するシステムである。
分電盤は専有部分であり、本来修繕積立金の共用修繕の目的から外れるが、総会の決議を経て全戸一斉工事として工事対象に含めた。既に漏電対策を講じてあった住戸へは子ブレーカー数に相当する工事費を返金した。
また、その際コンセント増設、配線替え、フ゛レーカー増設、分電盤交換等の個人負担による工事を斡旋している。